ドライマウス

ドライマウスとは日本語で口腔乾燥症のことをいいます。
広い意味での口腔乾燥症は唾液分泌の低下だけでなく、口が乾いていると自覚する症状すべてを指すことになります。
また、狭い意味では、唾液の分泌が低下して口が乾いている症状をさします。
最近ペットボトルを持ち歩く人をよく見かけませんか?
清涼飲料水の容器が10年前とくらべて大きくなっているのに気付いていますか?
環境や生活習慣の変化による全身の乾燥症状の悪化は全世界的な傾向です。
口腔乾燥症は様々な病気の一症状としてもあらわれ、ウ蝕(虫歯)、歯周病、口臭、摂食嚥下(せっしょくえんげ)障害の原因となることは言うまでもありません。
日本に800万人いるドライアイ(乾燥性角結膜炎)患者さんの多くがドライマウスの症状を持つと言われております。
さらに、欧米の疫学調査では、人口の約25%がドライマウスに罹患(りかん)しているとの報告もあり、これを我が国に換算すると、約3000万人の患者さんがいることになります。(ドライマウス研究会HPより引用)
ドライマウスの症状

ドライマウスになると、唾液の分泌が減少し、口の中が渇ききってしまいます。
唾液には虫歯を防ぐ働きだけでなく、舌や粘膜の保護・殺菌作用や、舌を自由に動かすための潤滑油としての働きもあります。
ですから、ドライマウスになり唾液が分泌されないと、「口の中がネバネバする」「会話がしにくい」「食べ物が飲み込みにくい」「口臭が出る」など、様々な症状がでてきます。
ドライマウスの原因
シェーグレン症候群(自己免疫疾患)によるもの。
唾液腺自体の局所的な疾患によるもの。
糖尿病、腎疾患などの全身性疾患によるもの。
薬剤の副作用によるもの。
加齢によるもの。
自律神経(副交感神経・交感神経)の原因によるもの。
ストレスによるもの。
口呼吸や喫煙、過度のアルコール摂取などによるもの。
放射線治療の副作用によるもの。
その他の要因によるもの。
ドライマウスの対処法
問診
現在の症状や、日常生活の週間などをお聞きします。
検査:ガムテスト
味のないガムをかんで唾液腺(せん)を刺激し、十分後に唾液の量を測る方法が一般的です。
普通の人で20cc前後になるが、半分の10ccを切るあたりからドライマウスの症状が出始めます。
検査:シルマーテスト
もともとはドライアイの検査方法です。
下のまぶたに専用の紙を挟み、5分間でどのくらい涙で濡れたかを測ります。
10mm以上で正常、5mm以下の場合、涙の分泌が少ないいわゆるドライアイと診断します。
当院では、検査による本人への情報提供が最も大切と考え、時間をかけしっかりと審査・診断しております。
日常生活における対処法
内科医との対診による薬のコントロール。
各種人工唾液、保湿剤の使用。
キシリトールのガムなどによる機能回復。
口腔内の刺激(ブラッシング、舌・頬刺激、電気刺激)。
リコールによるカリエス、ペリオに対する予防の徹底。
などの対策を行います。
ご自身で気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。